文学的引用 <カート・ヴォネガット>

宇多田ヒカルの書く詞にはしばしば言及や引用が含まれていて

 

これなんかはわかりやすすぎる例。

All along I was searching for my Lenore

In the words of Mr. Edgar Allan Poe

Now I'm sober and "Nevermore"

Will the Raven come to bother me at home

ちゃんと韻を踏んでいてすごいと思う。ポーの「大鴉」からの引用。

 
こちらは似ているだけかもしれないけど
 
変えられないものを受け入れる力
そして受け入れられないものを変える力を
ちょうだいよ
 
のフレーズを聴いたときに思い浮かんだのは、カート・ヴォネガット著「スローターハウス5」からの
 

神よ、願わくば私に、変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵とを授けたまえ。

God grant me the serentiy to accept the things I cannot change, courage to change the things I can, and wisdom always to tell the difference.

という一節でした。そんな日は来ないだろうけど宇多田さんに会えることがあったら真相を聞いてみたい。
 
アメリカ文学のレポートをヴォネガットで書いてみたくて文学部の先生にちらっと話してみたら「卒論ならいいよ」的なことを言われて慌てて取り消しました。レポートはシラバスによればテキスト掲載の原典のみ使用可ですもんね。テキストがまだ配本されていないのでどんな本が載っているかわからないけどさすがにSFはなさそう…。
ヴォネガットを題材にした卒論、修論、博論はいくつかあります。先生は、通信ではまだ書いた人はいないとおっしゃっていたかもしれません。「スローターハウス5」は戦争経験と関連づけて論じる人も多く書きやすい題材なのかな。
あーやっぱり書きたいなあ。慶應文学部の卒論テーマとしてもトウェイン、ミッチェル、サリンジャー並みに人気みたいだから、ヴォネガットを課題図書に選んでいいようにならないかなあ。
フルブライト奨学生になって海外留学を果たし、ヴォネガットで博士号までとってしまった慶應の大先輩の業績を思うと生半可な気持ちでは取り組めない気持ちになってきますね。その先輩がどんなにすごかったかはこの本で明らかになりそうです。

 

 

私が好きなのはこの本です。

 

 

まあまず原書でも読めって話ですよね。