驚異と怪異の場

三田キャンパス北館ホールで、国立民族学博物館主催の

公開シンポジウム「驚異と怪異の場―<自然>の内と外」

が開催されたので、行ってきました。

夜勤前だったので、無理せず午後からの参加にしましたが、午前中の松田隆美先生のご講演も面白そうでしたね…。

午後は倫理学専攻の山内志朗先生が、出羽三山即身仏についてお話しされました。山内先生は西洋中世思想がご専門だったはずですが、即身仏に関する著書もお持ちで、守備範囲が広すぎます。

しかしなんと会場には「修験道が専門の研究者」さんもいらしていて、山内先生に鋭い質問を浴びせていらっしゃいました。研究者のバトル、すごい…。

仕事の関係で東北地方に住んでいたこともあって、山形県にはよく遊びに行っていたので、出羽三山の話題は楽しく?聴きました。日本みたいな温暖湿潤な気候ではなかなかきれいなミイラはできないみたいですし、即身仏になる修行は凄まじいものですね。出羽三山は通ったことはあるけどお寺には立ち寄っていないので、女人禁制じゃないお寺に行ってみたいです。

(今の時代は女人禁制を解いているとは思うのですが、そもそもそういう戒律をもった場所にわざわざ行かなくてもいいかなあとも思うんですよね…)

民博からは、イスラエルパレスチナで魔神憑きと言われる現象について研究されている方からの発表があり、これだけ高度情報化社会になっても、内戦などで半ば閉ざされた社会にあっては、迷信がまかり通ってしまうことに少なからず恐怖を感じました。

そのあとは独文専攻の粂川先生による、ワルプルギスの夜ゲーテ。これはすっっっごく面白かったです。粂川先生、ご自分が訳したファウストを朗読されたんですが、登場人物によって声音を巧みに変えられていて、プロの声優さんかと思いました。私はファウストシューマンが曲をつけたものを歌ったことがあるんですけど、その時のメフィストフェレスは渋いバリトンのおじさまで、シリアスな悪魔のイメージが固定されてしまったんですが、粂川先生が訳したメフィストはお調子者でチャラい道化師的なキャラクターになっていました。

ワルプルギスの夜、現地で体験してみたーい。